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感動して滂沱の涙を流す

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1週間ぶりに水族館に出た、のんびり家を出るのでこの頃はいつも10時ごろになっているが、館内はまともには歩けないほどの込みようで、いつになっても衰えを知らないくらげの人気には驚かされる。

今月の10日には天皇陛下もここを訪れてくださる事になっているし、そのせいだろう館内には警備を担当する私服の警察官が大勢見回っていた。

これほどの大きな存在になることを、わずか3年前の「新クラゲ水族館」建設中にどれほどの人が予想しただろうか、今年8月の入館者が10万7千人有ったそうだ、この調子で経過すれば3年目の今年度末には55万人前後になる、75~80パーセントが県外からの客だからオープン以来その数は殆ど落ちていないことになる。
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※ この水槽はいつみても素晴らしい、しかし寿命の短いクラゲをいつでも溢れるほどの数を群泳させるのは至難の業だ、喜ぶ客の陰で飼育職員の努力が有って実現しているのだ。

このところ日本では水族館の新築は3年目が底になる傾向にあり、オープン時の賑わいはたった2年で終わりを告げる、したがって3年目の成績がその施設の本当の評価となるので、何処の水族館だとしても経営側としては最も気になるものだ。

減ったのは地元の庄内と内陸の県内客で、遠くから来る客ではない、加茂水族館のクラゲ展示の魅力はいまだ衰えない大きな存在になっていると言うことだろう、まあ何とか理想的な経過をたどっているのは有り難い。

二日前の9月1日、山形新聞の大きな紙面の3分の2をクラゲの写真で占められていた、端の方に書いてあった言葉がなんともうれしい「男泣かせ」の文句だった。
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※ 山形新聞創刊140周年記念特集。この紙面に踊る言葉が良いではないか「嘘のような本当の話、クラゲが地方を再生する」とある、山形新聞社にもかなりユーモアのセンスをお持ちの方がいると見える。

海外の方に観光してもらいたい山形の名所、、、2位加茂水族館、、、「クラゲで地方が再生する、嘘のような本当の話」とあったのだ、何でも其の1位が山寺立石寺だったのは至極当然だろう。

ベストテンの中で、羽黒山や、銀山温泉、県を上げての花笠まつり、蔵王の樹氷とスキー、最上川の船下りなどを抑えて2位だからこりゃー大したものだ。

20年前に閉館を覚悟したあの地獄から生還しただけでなく、大きな評価を頂く立派な水族館に生まれ変わることが出来たのだ、こんな時に感動して前館長が「男涙」を流しても、みっともないとは言われないに違いない。

しかし今日の見出しがこの話ではない、ついこの間「5mクラゲ大水槽」の前で美しい女性が立ちつくし滂沱の涙を流しているのを見たのだ、目にうっすらと涙を浮かべたのではない頬を伝う涙がとめどもなく滴り落ちていた。

そのシーンは8月の27日のことだ、BSテレビの「イチオシNIPPON」の収録でサヘルローズさんが加茂水族館を訪れて、私と奥泉館長が案内した最後のところで起きた

いたるところでクラゲの展示に驚いて感動してくれ、大いに喜んでくれたのだが、オキクラゲ水槽を見て最後の角を曲がったとたんに5m大水槽に目を奪われて、足が止まり「鳥肌が立ちました」と言って腕をまくって見せてくれた。
サヘルローズさんと

※ テレビ収録が終わり記念撮影した、真ん中がサヘルローズさん、バックの5m大水槽には大小5000匹~1万匹のミズクラゲ舞っていた、見る人を圧倒する迫力で迫ってきた。

 確かに細かなさざ波のようにいわゆる鳥肌になっていた、「ここで感動されても困るそばに行きましょう」と声をかけ、大水槽の前に行き見上げた時に「母の胎内にいるようだ」と漏らす言葉が聞こえてきた。

「感動が止まらない、、、涙が出た、、、」と言いながら見続けていた、その涙が頬を伝い止めどもなく流れ落ちて、ぬぐおうともしないでいつまでも動かなかった。

これまで多くの人を案内してきたが「母の胎内にいるようだ」と表現した方は他にいなかった。

人から聞いた話ではサヘルローズさんはイランの方で、産みの親を知らずに他人の手で育てられたそうだ、そして育ての親と生木を裂くように引き離されて日本に来たのだと、、、、。

勘繰りかも知れないが、「夢か幻のような母のぬくもり」をクラゲ大水槽で感じてくれたのではないか、ほかの誰にもできない表現を口走らせたのではないか、と思うのだが。
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※ 工事中のクラゲ大水槽、暇が有ると見に行ったものだがあまりの大きさにそのたびに体が震えた、「こんな大きな水槽にクラゲを群泳させることなんて出来やしない、、、これはまるで「加茂坂のトンネル」にガラスを張った様なものではないか」。そう思ったものだ。

そして滴る涙を目の当たりにした奥泉館長の口から出たのは、「この水槽を作って良かったなー」と言う言葉だった、直径5m、水量が40トンのクラゲ大水槽を、、、誰も想像だにしなかった難事業をやり遂げた者でなければ到底発することの出来ない言葉だった。

この言葉には万感の思いが込められている、多くの挑戦、困難や悩み、追い詰められた末の達成感が語らせたのだ、陛下も10日には感動してくださるに違いない、山形新聞の言葉と言い、サヘルローズさんの涙と言い加茂水族館の職員
クラゲ大水槽シルエット (2)

※ これが完成して「万というクラゲ」を泳がせることが出来れば、間違いなく日本中から人が来るだろう、、、、「今に見てやがれ、俺が一番だぞー」と声を上げた。

は皆が感動をもらった、今後の大きな励みになるだろう。
20年前あまりに客が来ないので水槽の照明をもったいないと消したことも有る、一人客が入れば大きな声で「今客が入った」と知らせて点灯していた、あの貧乏だった遠い昔も今は心地いい思い出になっている。

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